2007年2月のエントリー 一覧

書籍「学歴無用論」

就活の一環で、故盛田昭夫氏の著作である「学歴無用論」を読んでみました。盛田さんはソニーの創業者の一人で、ものすごく苦しい資金繰りの中でソニーを大企業へと育てていった立役者の1人です。こういうエピソードを聞くと、かなりのチャレンジ精神に満ちあふれてたんだなって感じます。

この本では、まだ日本では重く見られている学歴がもたらす弊害を、アメリカの雇用制度などと対比することで明確にしています。アメリカ社会と日本社会との雇用状況の差に愕然として、これではダメだ、変えていかないといけない!といった論調です。このあたりの考え方は、「若者はなぜ3年で辞めるのか」で出てくる考え方に似ています。わりと、このあたりは共感できる部分です。

ですが、さすが20年前(バブル崩壊前)に書かれた本ということで、かなり時代錯誤な内容があることも否定できません。考え方自体は今も通用しますが、時事的なことではちょっとそれはなと考えてしまうところもあるので、そのあたりは適宜かみくだいていけばいいと思います。

あと、ソニーの成り立ちなども書かれているので、ソニーにとても興味がある方は読んでみるといいかと思いました。

[web] 学歴無用論 - 楽天ブックス

再現率と精度

  • 更新日:
  • 研究
  • 研究, 指標

提案手法の実験結果を評価する指標として、再現率精度、あとF値などがよく用いられます。他のWebページなどを参照すればすぐに分かる内容なのですが、自分自身のためのメモとして残しておきます。


まず、これらの指標が何かを示す前に、背景を少し説明しておきます。まず、あるデータベースから正解データをいかに正確にたくさん発見できるかという問題があり、それに対して提案手法はどの程度有用であるかを実験によって評価します。

ある手法では、与えられたデータセット全てを正解データであると認識したとします。この場合、確かにデータセットに含まれる正解セットの全てを発見したと言えるでしょう。しかし、それ以上に正解でないデータも正解としてしまっています。これでは、この手法は現実には役には立たないでしょう。

また、ある手法では、与えられたデータセットのほんの少しだけを正解データであると認識したとします。この場合、当たり外れはあるものの、当たれば正解と認識したデータ全てがその通りである可能性は高いと言えます。しかし、他にも存在するかもしれない正解データを認識することはできず、これもまた現実には役には立ちません。


ここで再現率(recall)とは、全ての正解データのうち、どれだけ正解であると認識したか示す割合です。上記の2つの手法をこれで比較すると、前者は再現率が限りなく1に近いのに対し、後者はほとんど0に近くなります。

また、精度(precision)*1とは、正解であると認識したデータのうち、本当に正解であるかを示す割合です。前者の手法では、精度はあまり良くない(0に近い)のに対して、後者の手法では1か0に近い値を示します。精度はよく適合率とも呼ばれます。

さらに、再現率と精度の調和平均(逆数の相加平均をさらに逆数にしたもの)を計算することで、F値(F-measure)を求めることができます。多くの場合、F値が高ければ有用な手法であると言えます。

再現率と精度を示したベン図

Aは正解と認識したデータ、Bは正解データ、Cは認識された正解データ。

再現率=C/B、精度=C/A

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欠点。

  • 更新日:
  • 日記

先輩たちが卒業とかでだんだんいなくなっていくと、どうも自分自身に歯止めが利かなくなってくるみたいです。高校3年の時もそんな感じの兆候があったので、また繰り返してしまっているような気がします。

こんな感じの時は、自分がリーダーのような気がしてとても自由な気分になれる反面、後輩たちには無理なことを言ったり感じの悪いことを言ってたりすることが往々にしてあるのです。これが、そういうことを言わないといけない状態なら自分を許せるのに、そうでもないのに考えもなくポッと出る。それが嫌なんです。

自分でも自信がないことなのに、他人にそれを要求する自分は好きになれない。
自分でも言われたら傷つくだろうに、それを何の意図もなく言ってしまう自分は好きになれない。

なんとかしたいです、この性格。

主観確率と客観確率

  • 更新日:
  • 確率モデル

確率のなかにも主観確率と客観確率の2つに分類されることを知りました。ここから派生する考え方もなかなか興味深いものがあります。

一般に確率と言われてイメージされるのは、客観確率の方でしょう。客観確率(objective probability)とは、だれが実験しても変化しない確率のことです。サイコロのある目が出る確率とか、コインの表が出る確率などは客観確率の代表です。

これに対して主観確率(subjective probability)は、研究者の経験や主観によって決められる確率のことで、必ずしも一意に決定するものではありません。このような確率を容認する立場をベイズ主義ともいうそうです。ベイズの定理(Bayes' theorem)という条件付き確率の計算法があるのですが、これが主観確率の演算に優れていて、現在のベイズ統計学の基礎になっているらしいです。

まだ、どうもこのベイズの定理あたりの事前確率とか事後確率が分かってなかったりするので、また勉強してみます。

回帰と相関

  • 更新日:
  • 確率モデル

今まで僕は、回帰と相関にどんな違いがあるかを説明できなかったんですが、教科書を読んでみてやっと分かりました。やっぱり日本語の教科書は分かりやすくていいですね。両方とも多次元のデータでの関係(relation)を示すものなのですが、どういった関係を示すのかが違います。以降では、簡単のために多次元データを2次元データx,yとします。

回帰(regression)は、xがyを決定することが明らかな場合の関係のことを言います。所得と貯蓄の関係などがその例です。

これに対して相関(relation)は、xとyがどちらがどちらを決定するとも言えず、対等な扱いである時の関係を言います。身長と体重などの関係は相関で見たほうがよい例です。

それぞれの関係の強さを見るために、回帰分析を行ったり、相関係数を計算したりします。どちらも多次元データの関係をつかむためには重要な分析です。

1000エントリー達成

  • 更新日:
  • 雑記

このブログをはじめて2年と少し。やっと1000エントリーの記事を達成しました!自分、よく頑張った!

巷ではこういう記録を達成すると、何か記念にやるという習慣があるようなのですが、このブログは特に目的がないというか何をしたら読者に喜んでもらえるか分からないので、特に何もしません。とりあえず、記念にこんなエントリーを書いてみました、というだけですね。

でも、せっかくなんで、近くを歩いていて出会った犬の写真を載せておきます。犬ってかなりかわいいですよね!

本読みすぎ

  • 更新日:
  • 日記

最近、本を読みすぎてどの本で読んだ内容なのかを忘れそうになります。せっかく就活の話題のネタにもなるかもしれないんで、本の名前くらいは覚えておきたい。。。

というわけで、説明会に行ったついでに「僕は妹に恋をする」の文庫版を読んでみました。感想は別のエントリで書いてるのでそちらをどうぞ。あと、「ダメな議論」という本も読んでみました。こちらは良書ですね。

今は、ソニーを創立した盛田氏の「学歴無用論」を読んでます。読めたらまた感想書きますが、やっぱり20年前の本は時代錯誤な印象がぬぐえませんね。。。

小説「僕は妹に恋をする」

  • 更新日:
  • 書籍

漫画から映画にもなった「僕は妹に恋をする」という作品は、今年1月に小説として出版されました。友人が映画を観に行ったとのことなので、まずは本から入ってみようと思い読んでみました。160ページと非常に短く、文字も大きいのでとても簡単に読めますw 頑張れば20分くらいで読めます。

僕は漫画の内容を知らないんですが、こちらは600万部を売り上げるほどの人気なんだとか。小説版の方はまだ発売されたばかりなのですが売り上げはどうなんでしょうか。きっと原作が大好きな人なら買いそうな気もするので、それなりに売れるのかもしれないですね。

さて、これを読んだ感想ですが、正直に言えば微妙。。。もうちょっと恋に落ちる過程とかも書かれているものかと思ったのに、いきなり!?といった感じです。映画をそのまま小説に直した感じなので、ストーリーの細部が書かれることもなく、ちょっと短すぎるんじゃないの?と思わざるを得ませんでした。

でも、おもしろい表現も見つけました!Clover→C-Lover→She lover。このあたりは「おっ」と思わせますね。とはいえ、女性受けする内容かもしれませんが、ちょっと自分には抵抗がある作品でした。

[web] 楽天ブックス - 僕は妹に恋をする

新書「ダメな議論」

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  • 書籍

就活が終わって社会に出たら、議論をする場面もきっと増えていくことでしょう。そんな状況になっても、できるだけダメな議論はしたくないですよね?そんなわけで、とりあえず本屋で目についたこの「ダメな議論/飯田康之(ちくま新書)」を手にとってみました。

この本は、ダメな議論を見抜き除外していくことで、残された言説が有意義である可能性を高めることを目的としています。ブログなどが普及する中、さまざまな意見や主張が散見されるわけですが、それを全て目に通していたのでは時間がまったく足りません。そこで、ダメな議論(主張)を真に受けないようにすることで、本当に必要な主張を選び出せるようになるための着目点などが書かれていました。

内容はかなりしっかりしたもので、とても説得力があります。例えば、占い師などが相手の悩みなどをずばり当てる方法などが紹介されていました。これがなぜダメな議論と関係があるかは後で説明しますが、このような方法をコールドリーディング(Cold reading)というのだそうです。占い師が行うコールドリーディングでは、相手の考えていることを読み取り、現状がどうなっているかを言い当て、最終的に予言などを行います。

[wiki] コールドリーディング - wikipedia

このコールドリーディングは、本来は話術の1つで、相手に自分を信じ込ませるために使われます。これを使われて信じ込まされたあとに、主張したいことを述べれは必然的にその主張は正しいと納得してしまう、ということらしいです。これはとても怖いことですね?。

その他にも、怪しい議論を見抜くための5つのチェックポイントなども紹介されています。ですが、それはぜひこの本を読んでみてほしいと思います。信書の値段でこの書かれている内容は、かなり意味のあるものだと思います。



書籍「目からウロコの脳科学」

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  • 書籍

就活の中で、茂木健一郎という先生がいらっしゃることを知りました。この方は、脳についての著作が有名だと紹介されていたので、試しに「目からウロコの脳科学」という本を買ってきて読んでみました。

で、感想なんですが、脳の役割について非常に分かりやすく書かれていました。書かれていましたが、正直に言うと、あまりに分かりやすく書かれていて教養の域を出ないという印象でした。各ページに図も載っているので理解の助けにはなるのですが、もうちょっと内容のある本であってほしかったなと感じました。

なにより、前半(第1章)はそれなりに面白かったのに、後半(第2章)では「ここを損傷するとこんなふうになる」といった話ばかりで、ほとんどリファレンスのような感じなのが残念な点です。結局のところ、何が言いたかったのか分からず、まとめもありませんでした。

この本はいわば辞書のようなものなので、興味がある所だけ読めばOKのような気がします。きっと他にも中身のある本はあると思うので、詳しく知りたい人にはあまり向かない本と言えるのではないでしょうか。



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tetsuの日記・雑記です。
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