宮部みゆきが著した作品「ブレイブ・ストーリー」も、下巻で最後を締めくくります。上巻では、三谷亘ことワタルがどれだけ現実の世界でつらい状態になっているかが主に書かれていました。中巻では、現実とは違う世界、幻界(ビジョン)でワタルが苦労しながらも運命の塔へと目指す過程が記されていました。今回読んでみた下巻では、運命の塔へやっとたどり着き、ワタルがついに願い事をかなえます。最後はけっこう感動的です。
[blog] 小説「ブレイブ・ストーリー(上)」
[blog] 小説「ブレイブ・ストーリー(中)」
下巻では、破魔の剣に収める宝石を2つ手に入れることになります。1つめはアンドア台地と呼ばれる隔世の場所で、ファイアドラゴンに連れられて手に入れます。2つめは北の大陸で、友人でもありライバルでもあるミツルから渡されます。単純にはこんな感じなのですが、ここまで至るにはつらい出来事や、試練ともいえる体験をクリアしないといけないのです。
やっぱり泣けるのは、カッツやミツルとの別れのシーン。勇敢なカッツだからこそ最後まで強がりを言ってるあたり、余計悲しくなってきます。老夫婦が祈りを捧げるあたりもすごく重たくて、かなりジーンときます。
「幻界では、死ぬと光になるんだ。」 キ・キーマがそれらしいことを作品中に言っていたけど、光になっていくシーンも想像してみるととてもきれいそう。でも、すごく悲しいシーンでもあるし、リアルにこんなシーンに立ち会ったらどんなふうに感じるだろうって思いました。
最後にワタルが女神にお願いした願い事は、すごくRPCっぽい。でも、期待を裏切らないいい結末になったなって思いました。かなり長いストーリーだったけど、ワタルの成長していく過程を見るのは頼もしい限りです。すごく素直なつくりのストーリーでした。
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