小説「ヴェニスの商人」

自分の単純な気まぐれで、ちょっとこれまでとは毛並みの違う本を読んでみようとこの小説「ヴェニスの商人」を選んでみました。ヴェニスの商人といえば、シェイクスピアが著わしたことで有名です。シェイクスピアがハムレット、リア王、マクベス、オセロの四大悲劇を書いたことはあまりにも有名ですが、このヴェニスの商人は悲劇ではなく、喜劇として書かれています。
冒頭は、ヴェニス *1で貿易商を営んでいるアントニオが、友人バサーニオの頼みで高利貸しのユダヤ人シャイロックから自らの肉1ポンドを抵当として大金を借りてしまうところから始まります。

[wiki] ウィリアム・シェイクスピア - Wikipedia
[wiki] ヴェニスの商人 - Wikipedia

概要については上記のWikipediaに譲るとして、かなり驚きの展開が待っていました。
高利貸しシャイロックからお金を借りてしまったアントニオは、予想通りお金を返済することができすに肉を切り取られてしまいそうになります。で、ある事情からアントニオはその災難から逃れ、逆にシャイロックの方が全財産を剥ぎ取られるという憂き目に遭ってしまうのですが、この展開自体が、当時ユダヤ人がどのように思われていたかを示しているように思われました。

単純に、日頃善い行いをしている人が最後には救われて、悪いことをしている人には罰が下る構図なら、まあそれはそれでありかな?と思うわけなんですが、このヴェニスの商人ではあまりにもシャイロックへの罰が大きすぎるのではないかな?と思ったりするわけです。シャイロックから没収された財産がどこに渡っていくかも考えると、立場が違えば悲劇にもなりえるお話でした。

お話自体はとても短くて、200ページもない程度なのでさらっと読めると思います。ただ、登場人物が紛らわしいので、前半から誰が誰だかを把握して読まないと、きっと展開が分からなくなります。教養の足しとして読んでみるといいのではないでしょうか。

  • *1:イタリアのヴェネツィア

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