今更ですが、ワーグナーチューバの紹介をしておきます。このワーグナーチューバは、先月中頃の演奏会の時に、楽器屋さんから借りてきたものです。
↑ワーグナーチューバF管・B管
ワーグナーチューバはF管とB管があります。普通のホルンとだいたい同じような音域なのがB管で、それよりも下の方が鳴りやすいのがF管です。どちらとも音程を調節するためのキーが付いていて、このキーの押し具合によって半音程度は音を下げることができます。ということなので、演奏するときは全体的に高めにチューニングすることになると思います。
この楽器が使われる曲はほとんどありません。使われる曲で有名なのは、ブルックナーの交響曲7番・8番・9番、リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲、ストラヴィンスキーの火の鳥などです。また、使われたとしても、ホルンの持ち替えとして演奏されることも多く、単独での演奏はあまりないように思います。
で、演奏してみると、マウスピースはホルンなのに、音色はトロンボーンの方が近いように感じました。また、大きさが微妙なんで、抱えて持つのか足の上に置くのか迷います。先生が言うには、タオルか何かで台を作り、その上に乗せて吹くといいんじゃないかということでした。
また、音程がかなり合いにくいです。上がる方にずれる場合はなんとかなるんですが、下がる方にずれるとどうしようもないので、無理やり上げて吹くことになります。これが一番大変なんです。あんまり出てこない音だったらまだしも、Eとはかけっこう出てくるし、一番音程が悪かったりするのですごく苦戦しました。作られてから100年以上も経つのに、これだけ音程が悪いまま生き残っているのも稀のように思います。
そんな奏者泣かせの楽器ですが、和音として響かせるとかなり安定しています。今度演奏する機会があったとしてもやるかどうかは微妙ですが、観客として聞くにはすごく魅力的な楽器ではあると思いました。
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