映画「バベル」

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以前から観に行こうと思っていて、菊池凛子さんがアカデミー賞助演女優賞にノミネートしたことでも話題になった映画「バベル」。モロッコで放たれた1発の銃弾からつながる世界中の孤独で残酷な出来事。バラバラになった世界は、今も心を通わすことなく続いている。かつてのように世界中の人々が心を通わすことができるのか…。世界中の過酷な現実を直視するかのような作品です。


この作品では、3つの場所で起きている4つの視点がそれぞれどこかでつながっています。モロッコでは、誤ってバスを銃撃してしまうという現地住民の視点、そして逆に銃に撃たれて瀕死の状態に陥ってしまうアメリカ人観光客の視点。メキシコでは、アメリカ人観光客の子供たちと不法労働で生活する家政婦の視点。そして日本では、誰にも愛されることなく心に空白を持つ聾唖(ろうあ)の女子高校生の視点。それぞれが過酷な状況に直面し、やりきれない結末を迎えることになります。

見どころなのは、やはり菊池凛子さんの体を張った演技と、ブラッド・ピットが電話で話しながら泣いているシーンではないでしょうか。初めのうちに出てくる、子供たちが父親(ブラッド・ピット)と話すシーンではそれぞれのストーリーの関係が分からないので、なんで父親は泣いているんだろうって思うんですが、後半の父親側からの視点になると、それがどうしてかとてもよく分かります。あんな状況に追い込まれたら、誰でもきっとあんなふうに思いますよね。

また、アドリアナ・バラッザ(アメリカ観光客の子供を預かる家政婦)の迫真の演技も素晴らしかったです。砂漠の中で子供たちのために必死になって助けを求めるシーンや、どうしたらいいんだろうと苦悩するシーンなんかは特にそうでしたね。もっと注目されてもいいと思うのですが…。

ストーリー全体では、伊坂幸太郎の「ラッシュライフ」のような展開になっています。つまり、それぞれのストーリーが並行していき、最後には互いのつながりが分かるというものです。また女子高校生の途中のシーンでは、かなり過激な表現がたくさんあります。強烈な点滅や、全裸で出てくるシーンもあったるりします。いやらしくはないですが、ちょっと刺激的ではあるかなとは思いました。

非常に痛々しい場面もたくさんあるので、血が弱い人とかはちょっと気をつけたほうがいいでしょう。ですが、総じていえばよくできた作品でした。とても重いですが、世界中の情勢を直視していて、私たちがこれからどうすべきなのかを考えさせられる作品だと思います。

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