小説「人形館の殺人」

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綾辻行人が、あとがきで一番好きな作品だと紹介している小説「人形館の殺人」。後輩からこの人を紹介されて3つめに読む作品です。この小説のストーリーは、僕が今までに読んだとこのないパターンで、すごく度肝を抜かれましたw

舞台となるのは京都市の某K大付近にある館です。その館には顔のない人形が飾られており、非常に不気味な雰囲気を醸し出しています。その館にひさしぶりに戻ってきた飛龍想一は、なにものかの手によって執拗な嫌がらせを受けるようになります。自転車のブレーキが壊されていたり、ポストにガラス片が入っていたり…。何かを示唆する不気味な手紙も届き、想一は不安な毎日を過ごすことになります。そしてある日、そのいやがらせは放火にまでエスカレート…。この事件の犯人は誰なのか?全く予想もされなかった犯人が最後に明かされることに!!


と、簡単な作品の紹介はここまでにして、読んでみた感想を。まず面白かったのが、登場人物に辻井雪人(つじいゆきひと)という売れない作家が出てくることw この名前を見れば、誰に見立てて書いているかは一目瞭然ですね(^O^)b しかもこの作家、「(略)ちょっと目先を変えて、ミステリーでも書いてみようかと(略)」とか「(略)『人形館の殺人』―とかね、どうです?面白そうでしょう?」とか言ってるあたりなんて、にやにやしてしまいますね。まるで自画自賛w さらには作品の後半で、犯人の手に落ちてしまうあたりが遊び心があっていいなぁと思いますね。

またこの人形館の設立の際に、へんな建物をたくさん建てた中村青司が関わっているんじゃないかという憶測も出てきたりして、謎は深まるばかりです。かなり考えてみたんですが全然分かりませんでした。でも、ある章になると一気に謎が解かれてびっくりしました。さすがにこの展開はないですよね。これを小説にしてしまう綾辻行人はすごいと思いました。

そんなわけで、この作品はぜひ読んでみてほしい作品の1つです。特に京都に住む人や、某K大に通っている人はより楽しめるかもしれませんね。綾辻幸人の某K大感がきっと感じ取れるかと思います。

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