夏休みということで、読書感想文向けの文庫本がたくさん本屋さんに並ぶ季節になりました。普段よく読むような伊坂幸太郎や東野圭吾の小説でももちろん構わないんですが、たまには変わったものも読んでみよう!ということで、手にとったがこの小説「老人と海」。ヘミングウェイが著わした小説です。キューバの海で漁師をやっている老人が、大物を引き当てるものの最後までそれを守りきれず港に戻ってくるのですが、その代わりにそれ以上のものを手に入れるというお話です。
このストーリーでは、「尋」という単位が何度も出てきます。これは身体尺の1つで、両手を広げたくらいの長さのことらしいです。SI(国際単位系)では、1.818mと定義されています。ただし「千尋(ちひろ)の海底」という使われ方をされた時は、1818mの海底ではなくて、とても深いという意味になります。
この「尋」という単位は、ファゾム(fathom:1.8288m)という英語圏の単位の訳語だと思われるんですが、原文を読んでないんで分かりません。でも、きっとそうですよね!これを念頭において本文を読んでみます。
老人は、昔はある少年と2人で釣りに出かけていたんですが、今ではすっかり1人で釣りに行くようになっていました。少年は老人と釣りをしたかったものの、親からの言いつけで単独で行くことになったのです。ある日、老人が海に出て行くと1500ポンド(約680kg)にもなるような大きな魚を引き当てます。ここから魚と老人との長い長い戦いが始まります。広い海の上で、老人は孤独を紛らわすために小さな鳥や海に向かって話しかけます。「あの子がいてくれたらなあ」とぼやきながらも、懸命に戦います。
このストーリーでは、結局大きな魚を港へは持っていくことができなかったものの、老人の戦いっぷりはすごいです。なかなかこうも1人でずっと戦い続けるというのはできないことだと思います。いくら追い払っても近寄ってくるサメ。体力が徐々に奪い取られていくなか、希望を失わずに立ち向かっていけたのはやはり経験?漁師としてのプライド?かなり考えさせられます。
翻訳された小説なので、やっぱり単位や現地の感覚が分かりにくいというのはあったんですが、短いなりに楽しめる作品でした。
コメントする