タイトルからして突拍子な小説「推理小説」は、秦建日子*1さんの作品です。
推理小説というタイトルはもしかするとなじみがないかもしれませんが、「アンフェア」と言えばきっと話が通じるでしょう。小説「推理小説」は、篠原涼子が好演したドラマの原作です。

この話は端的に言うと、自ら執筆した小説通りに事件を起こし、1億円という高額な対価で買い取りを要求する犯人と、検挙率が素晴らしく美人、しかし生活が破綻している雪平夏見の2人を中心とした物語です。
「これがリアリティ、そしてオリジナリティ」という謎の台詞を言ってから犯行に及んだ犯人の心理や、その犯行の状況がありありと書かれています。全体のボリュームとしてはわりと少なめなものの、そこで展開される物語は先が読めず、なかなか楽しめます。
雪平の過去も物語を追っていく毎に解き明かされ、最後にはまさか犯人の思惑通りに雪平が行動しているのが驚きました。現実にはこんなストーリーはありえないのかもしれませんが、どこが現実じみているあたり、リアリティとオリジナリティをうまくミックスさせた点なのかもしれません。

個人的には、もうちょっと丁寧に書かれていてもいいかな?と思ったんですけど、これはこれでさらっと読めてよいと思いました。